島津法樹さんのコラム

初出は「ハイハイQさんQさんデス」(http://www.9393.co.jp/)に
2004年8月から2005年11月まで連載された「損する骨董得する骨董」です。

第3回
色々な集め方

コレクターはいつもお金が足りない。
そしてもっとお金がほしいと言いながら、
財布をはたいて骨董を買っている。
時には掘り出し物をしたり大損をしたりして
ほしいものをせっせと買い込んでいる。
このようなコレクターの中にも
それぞれの癖みたいなもの出てくる。

一つの方向を決めて伊万里なら伊万里だけで集めていく人。
使える物と言って茶道具や酒器のようなものを集めていく人。
中には駅弁の土瓶のようなものを数千個も集めている人もいる。
また、何でも食いと言って洋の東西、新古を問わず買う人もいる。
それはそれで面白いが、
それだけではそのうちに行き詰ってしまい、
よほどのことでない限り
集めたものが雑然としてガラクタを積み上げることとなる。

骨董収集は一生を通じて楽しむわけだから
しっかりとした目的意識を持つことが大切であると思う。
初めにぐらつくと常に試行錯誤だけで
俗に言う勉強代をたっぷり払うことになる。
朝鮮陶器であれば朝鮮陶器で
時代ごとに代表的な作品をしっかりと選んで
光るものを選び出してゆけば
コレクションの質はかなり充実してくるように思う。
次はこんな物が欲しいというような目標も見えてくる。
コレクターの中には
「僕はこれを売ったりはしない、
 ただ良いものを自分の側において置きたいだけ。」
と言う人も多い。
この姿勢はこれで良いのだが、
もし自分が買ったものが五年、十年後に評価されて
高値で取引されれば
これに勝るコレクターの嬉しさはないはずである。

自分が買ったものが
将来値上がりする期待が持てる作品を選んでいくことも
とても大切な集め方だと思う。
それは多くの人に
自分が集めたものが評価されるということであるから。
一つの世界を深く追求するとその作品について勉強できる。
美の真贋を見極めることもできる。
骨董を財産保全として集める場合は
それこそ骨董屋を上回る努力が要る。
また楽しむ為だけであれば
徹底して楽しむ姿勢を貫き通すことが大切だ。
中途半端でどちら着かずの集め方が一般的だが
このやり方だと必ず行き詰ってしまう。