島津法樹さんのコラム
初出は「ハイハイQさんQさんデス」(http://www.9393.co.jp/)に
2004年8月から2005年11月まで連載された「損する骨董得する骨董」です。
第44回

商品学(中国陶磁編)
まとめ

中国陶磁は(1.)の土器から始まって
清朝陶磁まで説明をしましたが、
これらは正に九牛一毛のようなものです。
私が耳にしている中国陶磁の主要な窯跡だけでも
40箇所以上が知れられている。
さらにこの項では陶磁器を主に紹介しましたが、
中国美術は書画、金石など
広範囲で奥深く全てのジャンルを紹介することが難しい。
このコラムは「損する骨董得する骨董」というタイトルで、
どうすれば楽しい趣味の世界で
経済的にうまくやっていけるかというテーマですから、
陶磁器に絞って説明をしました。
そういう意味で、
もう少し大陸から流出してくる骨董について
説明を加えておきます。

14,15年前中国大陸から
マカオや香港市場に貴重な陶磁器や銅器、玉などの骨董品が
どっと出回った。
世界のコレクターはびっくりすると共に
争ってそれらを買い求めた。
甲骨文字、束になった戦国時代の竹かん、
大型の唐三彩、漢の金印などの珍しいものも数多くもあった。
それらは意外と安価なので皆少々疑いを持ちながら買い付けた。
日本にもって帰ると
乾いた砂地に水が吸い込まれていくようにドンドン売れた。
店に持って帰る前に
空港で売り切ってしまうような話も聞きました。

商売上手な中国商人達は
そんな日本人の骨董屋に対して
値段を上げようとしたが無理だった。
大陸から作品が後から後から出土するので値段も下がっていった。
幾ら商売上手でも大陸から流出する
膨大な量の圧力には逆らえなかった。
さしもの中国美術の大市場である日本においても
コレクターが食傷気味になった。
今ではかなり良いものを持ち込んでも中々売り切ることができなくなった。
骨董というものは希少価値が非常に大切である。
小さな世界に少し多めに品物が出回りだすと皆手を引いてしまう。

そんな時、日本経済がデフレに突入し、
この業界は四面楚歌という事態に至った。
その間中国は着々と実力を養っていった。
幅広い中国骨董がこの十五年から二十年ほどの間に
日本で膨大な量が蓄積されている。
言い換えれば日本は中国大陸の古墳と同じような状況になっている。
今後これを見出して
中国で売ると言うビジネスが重要になってくると思う。
日本から中国骨董が流出し需要と供給が等しくなれば
日本の中国骨董の流通がスムーズになるように思われる。
その時もそう遠くないようだ。