島津法樹さんのコラム
初出は「ハイハイQさんQさんデス」(http://www.9393.co.jp/)に
2004年8月から2005年11月まで連載された「損する骨董得する骨董」です。
第64回
商品学(インドネシア編)
4. セクシーな原始アート(II)


馬は出産をしているところだ。
女性器からは頭の上で両手を合わせた
人間の男の子が飛び出してきている。
一つの馬の体で男女の性と生を表現したもののようだ。

プリミティブアートには殆どの場合、何か意味ある。
人間の生きる姿や神との融合、超自然現象などが
リアルに表現されている。
それらは男女の結合という形で現される場合が多い。
しかし、意外といやらしくはない。

現在のアーティストが男性器や女性器を彫ったりすると
おどろおどろしいか、
ある種、顔を背けたいような気持ちになるのだが、
この像を含めて
原始時代を今に生きている現地の人々が彫り込むと
アートになってしまうのだ。
僕なりの見解だが、
セックスを快感としてとらえるのは
昔も今も変わらないと思う。
しかし彼らが表現しているのは
ストレートな自然の営みを表現する為、淫靡さがないようだ。
単なる興味本位ではないのだろう。
それに対して現代のセックスの表現には
なんとなく陰湿さを感じるのは何故だろう。
こだわりのない生き方や全てのものを敬い、
命を大切にするという人間の深いところの差かもしれない。

原始美術を見ていると神、自然、笑いなど、
元気になる栄養が一杯あるように思える。
このあたりの作品をインテリアに使えるような時代が
我々の住宅環境の中にもきっと来るだろう。
目の前にいるアメリカのディーラーは
もうそんなニーズを掴んで結構いい商売をしているみたいだ。
同様のジャンルにアフリカン、パプア、ニューギニア、
マヤ、インディアン・アートなどがある。

これから開拓されるエリアやもう開拓されている地域など
時間差はあるが様々な分野がある。
そんなアイテムで日本にぴったりフィットする部分を探せば
大きな富をつかめるだろう。