2016.12.05  伊賀 欠陥の美

古伊賀は桃山から江戸初期にかけての極く短期間に焼かれました。
信楽が農民の雑器だったのに対して、
当初から茶陶を目指して創られたものです。
古田織部が指導したとも謂われています。
伊賀の七度焼きと謳われたほど、何度も窯に入れられ
これでもかという程焼かれたやきもの・・・
焼けものと言ったほうが相応しいかも知れません。
遺されているものは数少なく、多くが割れたり歪んだりしています。
それを茶人の感性は良しとしたのです。
写真の作品は杉本貞光先生が通常1300度程度で焼くのですが
或る時限界に挑戦しようと1400度を超すところ迄上げたことがあります。
その時の作品がこれ。
右半分は胎土そのものが熔けてしまったという凄まじい作品です。
その引き換えに美しいビードロと火色を呈しています。