さて、この道30年の僕がやっている 一つの具体的な商品の例を挙げてみよう。 このコラムにはいろいろな方がアクセスしていただいているが、 「中でもどんなものがこれから有利ですか?」と言う質問が多い。 迷惑をかけても申し訳ないので その都度積極的な答えは出していない。 これからもその線で行きます。
ここでは僕自身の考えを述べておこう。 僕は骨董の中でも陶器が専門で 特に下記の4つのジャンルを長年取り扱っている。
1、日本美術の中における源内焼、 2、東南アジアの古美術 3、朝鮮古陶磁 4、中国古陶磁
この4つの中から源内焼を説明してみよう。 この作品はつい近年まで、誰も追いかけていなかったものだ。 しかし、5年ほど前から僕は積極的に買い続けている。 その為もあってかマーケットがいささか活気付いてきた。 かつては高松を中心に四国出身の人たちが 地元の焼き物ということでコレクションしていた。 2003年~2004年度に『源内焼展』や『平賀源内展』が 全国規模で展開された為、大きく変わってきた。 地元の焼き物がナショナルブランドに育ちつつある。
また、源内焼のネームバリューは抜群で、 作品のレベルも非常に高い。 それに作品数があまり多くない。 江戸中期を少し下るくらいで、200~250年くらい経ている。 美術品としては十分成長する要素を持っている。 江戸後期美術がまさに花開いていた頃のことで 浮世絵などに見られるように、 今欧米からはこの時代の美術品が注目されている。 しかし、焼き物としては伊万里や九谷のような メジャーな作品と比べ、研究書や参考資料が殆どなかった。 これも最近クリアーされ 素晴らしい図録や出版物が発刊されていている。
有望な源内焼であっても何を買ってよいというわけではない。 このジャンルの中で誰もが欲しがる作品の種類が幾つかある。
1、 地図皿 2、 大型の抜けのよいもの 3、 印のあるもの(瞬民、志度瞬民、民など) 4、
多彩釉(3~4彩、出来れば黒・藍などの色があるもの) 5、 擦れなどがなく、壊れていない完全なもの
などの条件があります。 良い条件のものを選べば少々高く買っても いつかきっと値上がりすると思います。 前記した表によれば、骨董はボツボツ値上がりの時期に 入っているように思われるからです。 あくまでも自己責任で頑張ってください。 失敗しても知らないよ。
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