島津法樹さんのコラム
初出は「ハイハイQさんQさんデス」(http://www.9393.co.jp/)に
2004年8月から2005年11月まで連載された「損する骨董得する骨董」です。

第175回

儲かる骨董-実行編
10、やってみよう!骨董投資???
古九谷より美しい源内焼鳳凰文盤
(径41.9cm)

さて、この道30年の僕がやっている
一つの具体的な商品の例を挙げてみよう。
このコラムにはいろいろな方がアクセスしていただいているが、
「中でもどんなものがこれから有利ですか?」と言う質問が多い。
迷惑をかけても申し訳ないので
その都度積極的な答えは出していない。
これからもその線で行きます。

ここでは僕自身の考えを述べておこう。
僕は骨董の中でも陶器が専門で
特に下記の4つのジャンルを長年取り扱っている。

1、日本美術の中における源内焼、
2、東南アジアの古美術
3、朝鮮古陶磁
4、中国古陶磁

この4つの中から源内焼を説明してみよう。
この作品はつい近年まで、誰も追いかけていなかったものだ。
しかし、5年ほど前から僕は積極的に買い続けている。
その為もあってかマーケットがいささか活気付いてきた。
かつては高松を中心に四国出身の人たちが
地元の焼き物ということでコレクションしていた。
2003年~2004年度に『源内焼展』や『平賀源内展』が
全国規模で展開された為、大きく変わってきた。
地元の焼き物がナショナルブランドに育ちつつある。

また、源内焼のネームバリューは抜群で、
作品のレベルも非常に高い。
それに作品数があまり多くない。
江戸中期を少し下るくらいで、200~250年くらい経ている。
美術品としては十分成長する要素を持っている。
江戸後期美術がまさに花開いていた頃のことで
浮世絵などに見られるように、
今欧米からはこの時代の美術品が注目されている。
しかし、焼き物としては伊万里や九谷のような
メジャーな作品と比べ、研究書や参考資料が殆どなかった。
これも最近クリアーされ
素晴らしい図録や出版物が発刊されていている。

有望な源内焼であっても何を買ってよいというわけではない。
このジャンルの中で誰もが欲しがる作品の種類が幾つかある。

1、 地図皿
2、 大型の抜けのよいもの
3、 印のあるもの(瞬民、志度瞬民、民など)
4、 多彩釉(3~4彩、出来れば黒・藍などの色があるもの)
5、 擦れなどがなく、壊れていない完全なもの

などの条件があります。
良い条件のものを選べば少々高く買っても
いつかきっと値上がりすると思います。
前記した表によれば、骨董はボツボツ値上がりの時期に
入っているように思われるからです。
あくまでも自己責任で頑張ってください。
失敗しても知らないよ。