首都ニューデリーは人口1,370万で、東京をしのぐ大都会だ。 この駅がものすごかった。 何にもない舗装されていない広場の中に スレート葺のプラットフォームの屋根だけが、 人だかりの向こうに見えていた。 土ぼこりが舞い上がり、 頭の上にトランクや大きな荷物を乗せて 喚き回る人々がいるところが駅だった。
車から降りて人ごみに揉まれながら15分ほど歩いた。 仮設のような5段ほどの鉄製の階段を上がると そこがプラットフォームだった。 駅は駅舎も何もないプラットフォームと それをつなぐ、日本の横断歩道くらいの陸橋が 1本あるだけだった。
どこもかしこも人、人、人でものすごく混雑していた。 外国人だと見ると、 どこから沸いてくるのか物乞いがぞろぞろと付いてきて、 とてもわずらわしい。 線路を見ると列車の中から落としたのだろう。 人糞が山盛りになって一面落ちている。 そこを牛と荷物を担いだポーターがうろうろしていた。 彼らは意外と踏んづけたりはしていない。
東京で言えば、丸の内と八重洲くらいの一等地が ボカッとあいているのだ。 宝の山と言いかえてもいいような広場だ。 これほど勿体ことは他にないだろう。 特に土地信仰が薄れたとはいえ、 土地=金という観念の強い僕ら日本人が見れば なぜインド人がこれほうっておいたのか理解できない。 駅ビルでも建てれば 即、ビル・ゲイツをしのぐ世界一の金持ちになれる。 それで早速その方面のエキスパートに聞いてみた。
旧宗主国、イギリスの鉄道をまねているという、 ニューデリー駅は150年ほど前からまったく変化していないのだ。 よく見ればインド国中どこへ行っても、 駅は同じパターンだった。 ニューデリー駅開発をやって、 世界から金を集めそれを転がしたらどうだろう。
インドの国鉄はこれから数年間 ものすごい資金を必要とするだろう。 それだけに壮大なビジネスの可能性を持っている 注目すべきものだ。 この国の鉄道総裁の談として 5、6年後に新幹線を作る計画を持っているらしい。 投資規模は1兆円を越すと見込んでいる。 それを呼び水に世界中の金が集まってくるような予感がする。 骨董とは関係のない話をしたが、 いま少しホットなインド情報をお知らせしたい。
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